現在のラン栽培では(SUGOI-ne栽培以外)では
ほとんど植物が必要な養分を含まない材料を用土にしているため、
ラン用の肥料、それの類似のものが多々開発販売されている。
実際に水ゴケ栽培などの鉢に与えると効果がある!
当然であるが・・・・。
窒素が欠乏した鉢に窒素肥料を与えれば、効果が見えるのが当たり前の話である。
しかし、ラン用肥料の中には「ラン専用」というのもある。
ランは菌根植物である。
この菌根にどういう効果があるのかということ。
菌根植物のランを菌根植物でない植物にする水ゴケ栽培。
菌根植物でなくなったランというのは、他の一般の植物、作物と同じである。
ならば、一般の植物、作物用の肥料がランに使用すれば、同じように効く!
当たり前の話である。

ランの自生地では、誰も肥料など与えない!
与えなくとも持続可能である。
持続可能、増殖可能、発芽可能だから・・・・自生地である。

ラン用の肥料が・・・本当に持続可能、増殖可能、発芽可能なのか・・・ということ。
与えた時、一時的に効くというのは、欠乏しているから当然効く。
黄色になった葉が緑濃くなり、生育が促進される。
菌根でなくなったランは一般の植物と同じだからである。

ラン栽培というのは、園芸の中でも極端に異常な栽培である。
植え込み時に全然養分の含有しない用土・・・
水ゴケ、バーク、軽石、杉皮、ヤシ繊維、セラミック・・・で植えるという極端な栽培。
更に異状なのは、水を与えない!
一番水を要求しているのに・・・水を与えない!
水を欲しくて、なけなしの貯蔵養分と水分を割いて・・・根の伸長に使わせる!
水を・・・欲しがってランは根を伸ばす!
これで、バルブはシワシワに萎びる。
こういう状態だから・・・株が回復するのに3年を必要とすることになる!
こういう株に肥料を与えれば・・・・目に見える状態で効く!
当たり前の話である。
お腹が空いた時食事すれば空腹は満たされるのと同じである!

なぜ菌根植物のランを、このような栽培と肥料を与えるようになったのか????
1853年にドミニー博士がカランテの親鉢播種で発芽に成功した時から、
ラン科植物はラン菌と共生して発芽し生きる菌根植物であることは実証されている。
現在、ランのプロなら・・・ラン栽培の幼稚園児を除き、ほとんど人が知っているイロハである。
しかし・・・・実際の栽培では、前記したような栽培を何の疑問も抱かないで行ってきた。
もう・・・・ラン菌を発見し、それを実際の栽培に用いることは不可能と・・・考えてきたのか????
蘭界はこの問題に疑問を覚えないまでに固定観念に縛られるものになっていたのか???
そういう空気の中で・・・・
園芸の本を開けば・・・・ラン用の肥料、その周辺の活性剤の広告が多く載っている!
光合成を多くさせる?
光合成を活性化させる?
そういう薬まで開発されているが・・・・。
そこまで研究がされているのに・・・ラン菌は削除、ラン菌の能力は無研究??・
それでラン用の肥料など、本当にあるのだろうか。
その肥料とラン菌の関係が明らかにされない限り、説明がつかない場面が出る。
ランも一つの植物だから、一般の植物の肥料が効くのは当たり前の話である。
しかし、与えれば与えるほど、水ゴケの中には病害菌が繁殖することになる。

ラン用肥料の問題は、花芽分化に関係する。
デンドロなどの場合は、窒素肥料を与えれば、バルブに長く蓄積されて、
高芽が発生するから、P,Kを多くして・・・花芽を多く分化させる・・・狙いで・・・
これをラン用肥料とする場合もある。
第一燐酸カリ。
これを与えると・・・花芽が分化するという。
実際多くの人が使っているようである。
非常に植物生理を研究した成果である。

しかし、SUGOI-ne栽培ではP,Kは与えなくとも・・・素晴らしく花芽が出る!
なぜか???
ラン菌の菌糸は・・・P,Kを集め・・・ランに供給するからである。
カリとセシュームは似ているから、キノコの菌糸は落ち葉からセシュームを吸収して、
キノコに蓄積したことは・・・・今回の原発事故で証明された。
ラン菌はセッセとPとKを調達し・・・ランに供給するのである。
だから、ランの自生地で誰も第一燐酸カリなど与えなくとも・・・・無造作に花が咲き乱れる!


北極圏のタイガー地帯のミズゴケ・・・ピートモス地帯の有機酸の多いところで、
直ぐに燐酸固定が起こり燐酸欠乏する所で・・・・
カラマツ、ブルーベリーが自生できるのは・・・
カラマツもブルーベリーも菌根植物で、共生菌の菌糸が燐酸を供給しているからである!

有機農法の本には・・・燐酸のことが多く書かれている。
甘い果実を獲るには・・・いかにして燐酸を吸収させるか・・・・ということ。
過燐酸石灰、重過燐酸石灰、くよう性燐酸肥料・・・・
直ぐに植物が吸収できない燐酸固定が起こり・・・20%吸収されれば上々ということになる。
そういうことで蘭界では化学薬品の第一リン酸化カリの水溶液を与えることを考え出した!
しかし、農業では畑では・・・使われていない・・・。
有機農法では・・・この菌根のことが想定されていない。
菌根トマト。
菌根スイカ。
菌根メロン。
菌根イチゴ。
こういうものが将来生まれる可能性がある。
宇井清太は「イソギク」で菌根イソギクの開発に成功した。
他の植物にも応用できるので特許を出願した。
こういう植物、作物が出来ると・・・・一挙に燐酸、カリの問題は解決する!
秘中の秘の技術である。


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kouza 1bbt

本当にラン用の肥料というのはあるのか